馬鹿量産の時代

ラグビーと野球の試合が重なった所為で人間の量が多くなりすぎた駅と車両のなかを、
過ごしたあとの親子の会話

「お父さんすごいだろ。あんな電車にいっつも乗ってるんだよ」
「・・・」
「な、すごいだろ。朝も夜も、毎日だよ」
「すごいと思わないか?」
「毎日だよ、ほんとに。いつも。すごいだろ」
「お父さんのことすごいと思うだろ?」

子供が何を答えたか聞こえなかったけれど、あまり反応してなかった。
将来へげんなりしたのかもしれないし、ただ疲れていたのかもしれないし、
しかし少しだけ父親のことが迷惑そうだった。
すごいんじゃなくてただのバカなんだよと叫びたかった自分はもっとカバ。

実話